NR263S 計算ツール

はじめに

  1. 本ツールは、 NR263Sの動作状態、周辺定数、損失などを計算するためのものです。
  2. 本ツールを使用する前に、 NR263Sのデータシートを必ず確認してください。
  3. 素子特性のパラメータは、 TJ = 25 ℃におけるTyp.値が設定されています。
  4. [ 計算条件 ] 欄のテキストボックスには、 デフォルト値(参考値)が設定されています。
  5. 本ツールの計算結果はあくまで参考値であり、 保証値ではありません。
  6. 本ツールは、すべてのブラウザにおける動作を保証するものではありません。

使用方法

  1. [ 計算条件 ] 欄のスライダを移動し、 各テキストボックスの数値を設定します。
  2. − スライダを移動すると、テキストボックスに数値が入力されます。
    − テキストボックス内をクリックまたはタップ(以下 ”クリック” )すると、数値を直接入力できます。
    − キーボードを使用する場合、スライダのつまみをクリックすると、キーボードの方向キー(左右)でもスライダを移動できるようになります。
  3. [ 計算 ] ボタンをクリックして計算します。
  4. − 計算結果を出力した後に計算条件を変更した場合は、[ 計算 ] ボタンを再度クリックし、再計算してください。
    − [ 計算 ] ボタンをクリックしてエラーになる場合は、「エラーについて」を参照してください。

リセットボタン

  1. [ 計算条件 ] 欄の入力値をすべてリセットします。
  2. [ 計算条件 ] 欄のスライダのつまみの位置をリセットします。
  3. [ 計算結果 ] 欄の値はそのままです。

エラーについて

  1. " NaN " が [ 計算結果 ] 欄に表示される
  2. − [ 計算条件 ] 欄に空欄がある
    − 半角数字、半角ピリオド( . )以外が入力されている
    − 半角ピリオド( . )の入力位置が正しくない
    エラーになる入力例:「 .3.4 」、「 .2. 」、「 0.6. 」

解説

基本構成図



基本接続図の回路記号説明


  • CIN : 入力コンデンサ
  • COUT : 出力コンデンサ
  • CSS : ソフトスタートタイミングコンデンサ
  • CBS : ハイサイドドライバ電源用コンデンサ (デフォルトで0.1µFとします。)
  • REN1 : イネーブル端子設定用 (デフォルトで100kΩとします。)
  • Inductor : インダクタンス値


インダクタ計算手順


  1. ユーザー設定⊿ILのテキストボックスにて、ご希望のインダクタリップル電流⊿ILを入力してください。
  2. 計算ボタンを押し、インダクタンスL値を計算してください。
  3. インダクタメーカーのカタログを参照し、近い値の部品を選定してください。
  4. ユーザー設定インダクタンスL値をテキストボックスへ入力してください。
  5. 計算ボタンを押して、選定したインダクタンスL値による⊿ILを再計算してください。

インダクタリップル電流⊿ILの設定目安


条件 ⊿IL 備考
On-Duty<0.5 0.2A-1.0A ユーザー設定可能範囲
On-Duty≧0.5 0.2A未満 サブハーモニック発振回避のため

パルススキップ周波数Fskipの計算


軽負荷高効率モードパルススキップは、 NR263Sに搭載されている機能で、 軽負荷時に単位時間あたりのスイッチング回数を少なくし、 消費電力を改善することが出来ます。 なお、 インダクタL値が小さい方が、パルススキップ周波数Fskipが上昇します。

  1. スタンバイ負荷の負荷電流Ioの入力
  2. 『 パルススキップ時の負荷電流 IO設定 』の入力値は、 ご使用になる最大負荷ではなく、 スタンバイ負荷時の負荷電流Ioを入力してください。

  3. パルススキップ時のインダクタピーク電流ILPの入力
  4. パルススキップ中のインダクタピーク電流ILPは、 ユーザー設定のインダクタンスと入力電圧VINに依存性をもちます。 パルススキップ周波数Fskipは、データシート記載の計算式で計算出来ますが、 条件としてILPの値を入力する必要があります。 これは以下の参考特性図から、 入力電圧VINの条件と、 ユーザー設定インダクタンスの条件から、ILPを読み取り、 『 パルススキップ時のILP設定 』のテキストボックスに入力してください。


外付けインダクタンス別、VIN 対 ILP 参考特性

本ツールにおけるパルススキップ周波数Fskipの計算は、 あくまで目安の概算見積りといたします。 保証値ではないことにご留意願います。


補足事項


  1. 目標効率 ηの入力値は、入力電流Iinを概算するために使用します。トランス2次巻線の負荷電流見積りの際必要です。
  2. 目標出力リップル電圧の入力値は、出力のリップル電圧を何mVp-p以下にするかを入力してください。
  3. 計算結果における、出力コンデンサCoutのESR要求値およびリップル電流は、ユーザー設定インダクタンスL値により計算されます。
  4. NR263Sの内部損失は、データシートの熱減定格曲線の内側であることが必須条件です。


計算条件


8 31
0 固定
0 1.0
0 固定
50 99
0.1 1.0
0.1 1000
1 100
0.001 10
0 300
0.1 1.2

■ 計算結果

出力電力 PO:

---

W

On-Duty D:

---

周期 T:

---

µs

Ton:

---

µs

Toff:

---

µs

入力電流 Iin:

---

A

ソフトスタート時間 tSS:

---

ms

遅延時間 t_delay:

---

ms

起動時間:

---

ms

VSS1までの放電時間:

---

ms

ユーザー設定⊿ILでのインダクタンスL値:

---

µH

ユーザー設定インダクタンスL値における⊿IL:

---

A

出力コンデンサ COUT ESR要求値:

---

mΩ 以下

出力コンデンサ COUT リップル電流:

---

Arms

入力コンデンサ CIN リップル電流概算:

---

Arms

制御回路損失 PD1:

---

W

MOSFET部スイッチング損失 PD2:

---

W

トータル損失 PD (PD1 + PD2):

---

W

パルススキップ周波数 Fskip:

---

kHz

パルススキップ周波数は:

---

[ トータル損失 PD ] が、絶対最大定格1.56 (W) を超えています。 損失が大きすぎるため、使用条件の見直しが必要です。

DT0022:NR263S 計算ツール Rev.2.0