1. 半導体デバイス選定上のご注意

1.1 最大定格

半導体デバイスには絶対最大定格が示されています。
絶対最大定格の値は、一瞬でも超えてはならない許容値を示すもので、その値を超えると半導体デバイスは故障する可能性があります。

1.2 ディレーティング

絶対最大定格は、半導体デバイスを破壊させないための瞬時値で、信頼性を保証するものではありません(JEITA EDR-4701C)。
したがって、装置の用途や想定される使用条件に応じて、装置設計の際にディレーティングを行う必要があります。

1.3 フェールセーフ設計

当社では半導体デバイスの品質・信頼性向上に努めていますが、ある確率での半導体デバイスの欠陥・故障の発生は避けられません。
また、外来ノイズによる誤動作や周辺部品の故障による2次的破壊、マイコンシーケンスによる不適切動作での破壊なども考えられます。
これらは、装置の回路設計、アブノーマル試験、ワースト試験での確認不足などにより発生し、半導体デバイス単独では予測できません。
万が一、半導体デバイスが破壊しても人身事故、火災事故、社会的損害を発生させないよう、お客様の責任において半導体デバイス破壊や異常動作を考慮した装置、システムの安全設計および確認を行い、使用の判断をしてください。

1.4 用途と使用環境

当社の半導体デバイスは、電装品用途(車載品用途)のものを除き、一般民生用です。
一般家庭、事務所、工場などの常温、常湿の使用環境下に設置される一般電子機器(家電製品、AV機器、事務機器、通信端末機器、計測機器など)に使用されることを意図しています。
ご検討される装置が一般電子機器に相当するか不明な場合は、必ず当社までお問い合わせください。
一般民生用の半導体デバイスは、高温多湿・強電界・強磁界・放射線・宇宙線・腐食性ガスなどの特殊環境下では使用できません。

1.5 高信頼度機器への使用

高い信頼性が要求される装置(輸送機器とその制御装置、交通信号制御装置、防災装置、防犯装置、各種安全装置など)に当社の半導体デバイスを使用することを検討する際は、必ず事前にその使用の適否について当社販売窓口へ相談いただき、納入仕様書に署名または記名押印のうえ、返却をお願いします。
当社の半導体デバイスは、極めて高い信頼性が要求される機器または装置(航空宇宙機器、原子力制御、その故障や誤動作が生命や人体に危害を及ぼす恐れのある医療機器(日本における法令でクラスⅢ以上)など)に使用されることは意図されておりませんので、これらの用途には使用しないでください。
また、ゼロディフェクトを前提とする機器に使用する場合は、お客様の責任において装置バーンインなどの対応をお願いします。

1.6 長寿命機器への使用

当社の半導体デバイスの多くは、一日の使用時間を8時間(間欠使用)として約10年の寿命を目標に設計しています。
住宅設備・ビル設備など、一般電子機器であっても長寿命を要求する用途に使用する場合は、必ず当社にご相談いただき、要求内容を明記した納入仕様書の取り交わしをお願いします。
また、目標の寿命を確保するため、使用温度を低減するなどのディレーティングによる延命措置は、お客様の責任にて講じてください。

1.7 製品のライフサイクルについて

当社の半導体デバイスは、電装品用途(車載品用途)のものを除き、一般民生用です。民生市場では、技術革新や市場要求により、短期間で商品構成が変化します。市場の需要変化や、材料の供給状況などにより、半導体デバイスを生産終了(保守品)とさせていただく場合があります。
長年市場に供給されている半導体デバイスは、供給期間が短くなる可能性がありますので、半導体デバイスをご採用の際は当社にお問い合わせください。
特に、長期間(10年以上)の納入を前提とする装置に使用する場合は、必ず当社にご相談ください。


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