2. 運搬に関するご注意

運搬方法・運搬環境によっては、半導体デバイスに不適切な応力をかけパッケージ内外に損傷を与えたり、特性を劣化させることがありますのでご注意ください。

2.1 衝撃

トラックなどへの半導体デバイスの積み込みや積み下ろしの際は、外装箱に衝撃が加わらないよう十分ご注意ください。
また、運搬時は半導体デバイスに振動や衝撃が加わらないよう、クッションを使用するなどご配慮ください。
落下や放り投げなどによる外装箱の破損やへこみが、箱の中の半導体デバイスの端子の変形やパッケージ破損など、品質に影響を与える原因になることがあります。

落下により外装箱が変形してしまった例

フォークリフトで外装箱に衝撃を加えてしまった例

2.2 応力

運搬の際は外装箱を天地逆にしたり、立てかけたりすると、局部的に不適切な応力がかかり、箱の中の半導体デバイスの端子の変形やパッケージ破損など、品質に影響を与える原因になることがあります。
また、過度の積み上げや、パレットの上に傾けて積み上げることがないようご配慮ください。

パレット上に傾けて積み上げた悪い例

パレット上に傾けて積み上げたことで箱が潰れた例

2.3 温度

海上輸送の際、船の甲板や港でパレットの上に放置すると温度上昇による思わぬ事故が発生します。
陸上輸送の場合も、車内温度上昇にご注意ください。半導体デバイスの収納ケース(スティックやトレイなど)が長時間高温にさらされると、収納ケースが変形することがあります。
スティックが変形すると運搬中の振動でストッパーが抜け落ち、梱包箱内に半導体デバイスを散乱させる事故の原因となります。
運搬ルートや業者を選定する際は、スティックやトレイが45 ℃以下になるようご配慮ください。

搬送中の温度上昇で変形したスティックの例

2.4 水濡れ・結露

降雨や降雪時の運搬では、外装箱を濡らしたり、内部が結露したりしないよう、ご注意ください。
外装箱が濡れると半導体デバイスへの影響ばかりでなく、箱の強度が落ちて破れやすくなり、思わぬ事故が発生する恐れがあります。

2.5 劣悪環境での運搬

当社の梱包は、一般的に想定される環境での運搬を前提としています。
特に悪い環境条件で運搬する場合は、真空パックや密封箱での運搬をご検討ください。

2.6 ケアマーク表示

外装箱を変更して運搬する場合は、ケアマーク(梱包貨物荷扱い指示マーク)を表示してください。
ケアマークは一般的に外装箱の色調により黒・赤・橙のいずれかで目立つように表示します。
外装箱に表示されるケアマークの例を以下に示します(著作権は当社に帰属します)。
当社では、運搬途中での開梱作業は推奨しませんが、静電気に弱い半導体デバイスに対して運搬途中で開梱作業が入る可能性のある場合は、別途、静電気注意の表示も必要になります。

ケアマークが表示された外装箱の例

外装箱に表示するケアマークの例

必要に応じて外装箱に表示するケアマークの例


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