2 品質保証システム

2.1 製造工程の品質管理

半導体製品の製造工程内の品質管理は、お客様が要求する高品質・高信頼性の製品を提供するための最重要事項と考えております。

このため、技術・開発部門の各種技術情報をもとに決定した管理条件を、管理工程図に定め、文書化し、これらを用いて各種製造作業を行っています。

管理工程図とは、工程フローに、使用装置、使用部材、各品質管理項目と管理基準、検査基準などを記載し、体系化したものです。

半導体の製造工程は、ウェーハ工程(前工程)と、アッセンブリ工程(後工程)があります。代表品種の工程フローチャート例を以下に示します。

2.2 標準類・設備計測器の管理

1) 標準類の管理

当社製品の品質マネジメントシステムは、品質・信頼性を維持するために、品質マニュアルを頂点として、管理規程・管理基準・製造規格・手順に階層化し、文書化した品質システムを確立しています。これは、体系化された標準類として制定されています。

標準体系図を以下に示します。

標準体系図

2) 設備計測器の管理

半導体の電気的特性・光学特性を測定する計測器は常に正常な状態に保ち、必要な精度内で動作する事によって、品質確保と向上が実現します。計測器の精度管理は、社内規定の中に「計測器管理運用基準」を設け、国家標準へのトレーサビリティが確立されている事の確認として、社内または外部校正機関で、定期的な検査・校正を実施しています。

計測器のトレーサビリティ体系図を以下に示します。

計測器のトレーサビリティ体系図

2.3 製品のトレーサビリティ

お客様に出荷した製品のトレーサビリティは、製品本体に製品名・ロット番号を捺印し、製造履歴をトレースできるように管理しています。
以下に、製品のロット番号の捺印例を示します。詳細は、各製品のデータシートをご確認ください。
また、梱包状態でも製造履歴を確認できるよう、出荷梱包箱に貼り付けられているラベルにも、同梱されている製品の製品名、ロット番号などが記載されています(一部の製品を除く)。

ロット番号の捺印例

2.4 お客様からのクレーム対応

お客様の製品に搭載された当社の製品に不具合が発生した場合は、下図のクレーム対応フローで処置されます。
当社営業部門、または特約店がクレーム返品のお客様窓口になっており、クレームを受理した営業担当者は、お客様からのクレーム情報をもとに、不具合内容、製品名、ユーザ名、受理日、セット名、不良率、ロットなどを詳細に入力し、クレーム情報を品質保証部門に連絡します。

また、クレーム現品は、品質保証部門に引き渡します。
品質保証部門は、クレーム連絡票に基づいて不具合状況を把握し、現品調査・解析結果により、原因を特定し対策を実施します。

これらの調査結果は、随時、技術・開発部門や製造工程にフィードバックし、信頼性の維持・向上と再発防止の徹底に努めています。

また、調査状況は、「クレーム調査報告書」として営業部門からお客様に報告いたします。

クレーム処理フロー

2.5 品質・信頼性教育

品質および信頼性に関する教育と訓練は、品質に影響を与えるすべての社員に対して、当社「社員教育実施基準」に従って実施しています。
また、社外で開催されるセミナーや通信教育などへも積極的に参加できる体制になっています。
下表は、一般技術者を対象とした、基礎コースから中級コースにかけての教育講座を示しています。

さらに、製造工程で検査および試験を担当する作業者は、担当業務を行う前に、製造・検査のために必要な教育を受け、認定された検証者が従事することで、品質の安定化を図っています。
なお、その理解度の確認は、実務の作業の中で指導者が随時実施しています。

品質講座 事例一覧
ISO9001:2015規定要求事項の解説 統計的手法実践 (Xbar-R管理図)
IATF16949:2016規定要求事項の解説 統計的手法実践 (P管理図)
PPAPの解説 実践問題解決法
価値工学(VE) 設計(D)FMEA
製造物責任法(PL法) 工程(P)FMEA
問題解決法(基礎) 故障の木解析(FTA)
統計的手法(基礎) 品質機能展開(QFD)
ポカ防止(基礎) 測定システム解析(MSA)
顧客満足(基礎) なぜなぜ分析法
5S(基礎)

2.6 品質に関する規格への取り組み

1) 品質保証規格ISO9001に対する取り組み

ISO 9001は、1987年に国際標準化機構(International Organization for Standardization)によって制定された“品質保証”に対する国際規格です。製品そのものの良し悪しではなく、品質管理体制が評価されます。2000年には“品質保証”規格から“品質マネジメントシステム”規格に改訂され、品質に関して組織を管理するための規格となりました。ISO 9001の目的は、単に良い製品を作ることだけではなく、良い製品・サービスを作る(提供する)ためのシステムを管理することです。

良い製品・サービスとは、お客様の要求する製品、サービスのことです。つまり、ISO 9001とは、良い製品やサービスを提供することで、お客様に満足してもらうことを目指す仕組み(システム)を確立することです。

2) 自動車産業品質マネジメントシステム規格IATF 16949に対する取り組み

IATF 16949はISO 9001規格に自動車産業向けの要求事項を付加した品質システムの国際標準規格です。 2015年にISO9001:2015が発行されたことに伴い、ISO/TS 16949からIATF 16949:2016へ移行しました。

ISO/IATF figure


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