次世代パワー半導体 GaN・SiCへの取り組み |サンケン電気

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次世代パワー半導体 GaN・SiCへの取り組み

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1, 次世代パワー半導体 GaN・SiCとは?

優れた特性を持つGaN・SiC

―半導体製品のはじまりと現在― ゲルマニウムからシリコンへ
半導体の歴史は1950年頃の点接触型ゲルマニウムトランジスタから始まり、特性の優れるシリコンが現在まで半導体製品の主流として用いられてきました。

半導体製造装置の高精度化やデバイス構造及びプロセスの最適化など、様々な技術向上と研究開発を重ねることで、シリコン半導体製品は進化を続け、身の回りの電気機器の小型化・高性能化に大きく貢献してきました。
しかし、長年の研究開発の結果、シリコンを材料とした半導体製品の大幅な特性改善をすることは限界に近づいてきました。

―これから― 次世代パワー半導体 GaN SiC
そして昨今では、「次世代パワー半導体」と呼ばれる、GaN(ガリウムナイトライド)やSiC(シリコンカーバイド)を使った半導体に大きな注目が集まっています。
GaNやSiCはシリコンに比べてバンドギャップが広く(Si:1.1、SiC:3.3、GaN:3.4)、「ワイドギャップ半導体」とも呼ばれます。
素材そのものの性能指数(εμeEc3)で比較すると、SiCはシリコンの440倍、GaNは1130倍と桁違いの高性能を誇ります。
この素材を活かす周辺技術開発が現在進められており、従来のSi(シリコン)半導体から、GaNやSiCを使った次世代パワー半導体へ置き換えることで、さらに大幅な機器の小型化・高効率化が実現できます。
次世代パワー半導体はエレクトロニクス機器を新たな領域へと導く牽引役として期待されています。

シリコンデバイスをSiCデバイスに置き換えたら・・・?

シリコンデバイスに比べSiCデバイスの損失が大幅に少ないため、
使用するパワー半導体をSiCデバイスに置き換えると、大幅な機器の小型化を実現することができます。

シリコン・SiC・GaNデバイスの適用範囲

SiC
SiCはシリコンの半分を炭素に置き換えた材料ですが、炭素と強固な結合をつくるため、シリコンに比べて緻密で安定した結晶です。
そのため、絶縁破壊強度が一桁高く、活性層を非常に薄くすることができます。
このことにより、従来のシリコンデバイスに比較し、高耐圧でありながら低損失な素子を可能とします。
⇒SiCデバイスはモーター駆動などの高耐圧・大電流用途で有利

GaN
一方、GaNはSiC以上に安定した結合を有し、絶縁破壊強度がより高い材料です。
現在はシリコン基板上にGaN活性層を形成することが一般的です。
このため、SiCほどの高耐圧化はできませんが、小型・高周波用途に向いています。
⇒GaNデバイスはスイッチング電源などの小型・高周波用途で有利

2, サンケン電気 次世代パワー半導体 開発の歴史

サンケン電気は創業から60年以上の歴史を持つ半導体メーカーとして、次世代パワー半導体についても2000年以前から開発を進めてまいりました。

サンケン電気のGaNパワーデバイスの起源は青色発光のLED基板技術です。シリコン基板上に、インジウムを混ぜたガリウムナイトライドを形成したInGaN on Silicon LED(サンケン電気特許)を業界に先駆けて開発。青色LEDの低価格化にひとつの道を示しました。
2002年以降、NEDOの助成のもと、パワーデバイス用として開発を行い、2004年以降、高耐圧素子単体の成果から、モーターや電源応用の発表を行って参りました。

SiCに関しては、2009年からNEDOの次世代パワーエレクトロニクス技術開発プロジェクトに参加しつつ、SiC素子開発を平行して行い、電源応用の発表を行って参りました。
2013年12月にSiCSBDの量産を開始しました。
NEDO:独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構

3, SiCデバイス: SiC-SBD / SiC-MOSFET

SiC-SBD(第1世代)を2013年12月量産
トレンチ型SiCMOSFETを開発中、2018年春量産化予定

特徴

■ SiC-SBDの低リカバリ損失で、電源効率向上
■ SiC-MOSFETの低抵抗、高速スイッチングで電源機器の小型化、高効率化実現
■ 高温時も電流増大による熱暴走が無く、安定したスイッチング特性を維持

製品仕様

■ SiC-SBD

品名パッケージVRSM(V)IF(A)VF(V)用途ステイタス
FMDA-10565 TO-220F 650 5 1.5 通信機器、高性能サーバ、エアコン等 開発中
FMCA-11065 TO-220F 650 10 1.5 エアコン、パワーコンディショナ、通信機器、高性能サーバ等 販売中
FMCA-22065 TO-220F 650 20 1.5 エアコン、パワーコンディショナ、通信機器、高性能サーバ等 販売中
CTCA-42065 TO3P 650 20 1.5 エアコン、パワーコンディショナ、通信機器、高性能サーバ等 開発中
CTCB-310K2 TO3P 1200 10 1.5 EV充電器等 開発中
CTCB-320K2 TO3P 1200 20 1.5 EV充電器等 開発中

■ SiC-MOSFET

開発品番パッケージSiC-SBD内蔵VDSS(V)ID(A)RDS(mΩ)VGS(V)VSD(V)用途ステイタス
MSA15K2 TO3P No 1200 15 130 20 6.0 高性能サーバ等 開発中
MSA15K2D TO3P Yes 1200 15 130 20 1.7 高性能サーバ等 開発中
MSA50K2 TO3P No 1200 50 40 20 6.0 高性能サーバ等 開発中
MSA50K2D TO3P Yes 1200 50 40 20 2.8 高性能サーバ等 開発中


SiC-SBD順方向特性(650V/10A品)


Topic   ―SiCのウェーハは半透明―


SiCのウェーハはシリコンと異なり半透明です。
なにも加工を施していないSiCのウェーハは後ろにあるサンケン電気のロゴが透けて見えます。
各種電極を形成することでSiC基板上にダイオードやMOSFETの特性を持った素子を作ります。

4, GaNデバイス: ドライバ内蔵GaNトランジスタ (研究開発品)

高性能と扱いやすさを両立しました
電源機器の小型化、省エネルギー化に最適です

特徴

■ ノーマリオフ型GaNトランジスタと専用ゲートドライバICをワンチップに内蔵
■ 5Vロジックレベルの電源、入力信号で超高速動作を実現
■ 低寄生インダクタンスの超小型・低背パッケージを採用
■ 耐圧600V、最大電流10A / 20A品のラインアップを開発中

製品仕様

品名VDSS(V)ID(A)Ron(DS)(mΩ)パッケージ用途ステイタス
DGF6010 600 10 100 8mm × 8mm × 0.85mm
QFNタイプ
サーバ用電源、
パワーコンディショナ、
デジタル制御電源、
非接触給電
等の電源機器
開発中
DGF6020 600 20 50

GaN SW評価用ハーフブリッジボード

ハーフブリッジ回路のハイサイド、ローサイドともにアイソレータを搭載しており、マイコン等でロジック信号を入力することで高圧大電流のSW評価が可能です。

ボード番号VDSS(V)ID(A)素子形態等
QFN8-HB2-1S 600 10 1 × 2 FR4 1.6mm 2層
Cu厚 70um
40.35mm × 74.5mm
QFN8-HB2-1D 600 20 2 × 2
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