特集 次世代パワー半導体「GaN」「SiC」とは?サンケンと次世代パワー半導体

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Part 2. SiC、GaNデバイスの採用が期待される用途

SiCデバイスやGaNデバイスの特性を生かし、効果的に使うことで、機器の大幅な小型化や高効率化の実現が期待できる用途が数多くあります。
ここではそのなかの9つの用途をご紹介します。

SiCやGaNなどの化合物半導体は、これまで実現が難しかった電気機器の小型化や省エネ性能の向上など、私たちの生活の新たな可能性を広げています。

※HEMT:High Electron Mobility Transistor(高電子移動度トランジスタ)

次世代デバイスの採用用途をご紹介 1. データセンタ
データセンタ
高効率で小型のサーバ電源の実現にはSiCやGaNデバイスが有効です。
SiCやGaNを使用すると、スイッチング損失や導通損失の低減だけでなく、周辺部品も小型化でき、電力密度の向上が可能です。
2. AV機器
 AV機器
薄型で大型の高精細TV (HDTV)には高効率な数100Wクラスの電源が必要であり、600V耐圧の低損失SiCショットキダイオードやGaN HEMTの採用が見込まれます。
3. 産業機器
産業機器
産業機器には大容量の電力を扱うインバータや、高精度な加工を行ったり高いトルクを発生させたりする加工機など様々なものがあります。これらの電源には、高効率なSiCやGaNデバイスが求められています。
4. 再生可能エネルギー
再生可能エネルギー
環境への負荷が少ない太陽光や風力などの自然エネルギーは、原発や化石燃料に替わるエネルギーとしてますます注目されており、高圧、大電力対応可能で高効率なSiCデバイスの需要が高まっています。
5. HEMS
HEMS
近年、一戸建てや集合住宅を想定した電力マネジメントシステムの導入が進んでいます。この分野においても高効率で小型な電源向けにSiCやGaNデバイスが用いられます。
6. 白物家電
白物家電
白物家電とは、エアコン、洗濯機、冷蔵庫などの家電を指します。これらに用いられるモータ駆動回路の効率を上げるため世界的にインバータ化が進んでいますが、さらなる効率向上のために、低損失なSiCやGaNデバイスの適用が期待されます。
白物家電に対しては、デバイスの低価格化が普及のポイントになります。
7. LED照明
LED照明
近年、一気に普及が進んだLED照明は、蛍光灯に比べ非常に高効率で長寿命です。照明は使用時間が長いため、更に効率を向上すべくSiCやGaNデバイスの採用が進んでいます。
8. USB-PD (USB Power Delivery)
USB-PD
USB-PD (USB Power Delivery)は、USBケーブルを用いてデバイスを充電するための給電規格の一つで、最大240Wの受給電が可能です。
USB-PDの電源には、急速充電ができること、スマートフォンやノートパソコンなど多様な機器に接続できるように複数の電圧を供給できること、持ち運びや狭小スペースへの埋め込みのために小型であること、などの要求があります。
これらの要求を実現するために、高耐圧素子でありながら効率を維持したままMHzのスイッチング動作が可能なGaN HEMTが効果的です。高周波数化により、電源回路内に用いられるインダクタなどの受動素子を大幅に小型化することができます。
9. 電気自動車(EV)と、急速充電、非接触給電
EV、急速充電、非接触給電
地球環境保全の観点から、電気自動車(EV)の早期普及が望まれており、この分野でもSiCやGaNデバイスの活躍が期待されています。
EVの電費向上のためには、車体の軽量化が必須です。インバータ装置などに使用されるシリコンデバイスを損失の少ないGaNデバイスに置き換えることで、高効率で軽量なインバータ装置を実現し、EVの航続距離の延長、あるいはバッテリ積載量の削減が可能です。
また、EV向けの急速充電器や、非接触給電にも高耐圧で高周波動作が可能なSiCデバイスが最適です。


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Part 1. 化合物半導体 SiC、GaNとは?
   ■SiC、GaNの素子特性
   ■SiC、GaNデバイスの適用範囲

Part 2. SiC、GaNデバイスの採用が期待される用途
   ■SiC、GaNデバイスの採用が期待される9つの用途

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